今こそ、きめ細やかな、かつ、大胆な女子力も必要とされるとき
2003年福井医科大学卒業・第一外科入局、2005年大学院入学、2008年結婚、2009年長女出産、2010年福井総合病院異動、2012年次女出産、2013年学位取得・大学院卒業。現在2人の娘を育てながら外科医として福井総合病院で勤務しています。5時起床、食事の準備から1日が始まり、髪を振り乱して出勤。主に、午前中は外来、上部内視鏡検査、午後は病棟、下部内視鏡検査、手術。私も執刀医として手術に入らせていただいています。私が帰宅するまでは近くに住む母に助けてもらって、帰宅後もばたばたと動き、子供を寝かしつけてやっとほっと一息、1日無事終了。
どうして私は働けるのか、働きたいのかを考えてみました。まずは、この状況の中で働かせてもらえる職場の皆様の御理解・手厚いサポート、そして家庭での周囲のサポートがあって働けます。ただ環境は個々によって、またその個々の中でも時期によって大きく違うもの。自分としてはここまでしたい、しなければならない、けれど、でもどうにもならないタイムリミットもあり、体も心もついていけずその葛藤で涙することも多々ありました。でも、やはりいつも出る答えは外科医を続けたいでした。その限られた時間の中で、瀕死の患者さんが手術で救命されたとき、癌患者さんが根治切除を経て笑顔で退院されたとき、「女の先生でほんとよかった」、終末期の患者さんからの「先生から元気がもらえるよ」、などのお言葉、「ママきょうもいちにちがんばったね」という娘の置手紙、こんな瞬間をまた味わうために毎日がんばれるのです。
体力も根性もない私が今もこうやって続けています。今こそ、きめ細やかな、かつ、大胆な女子力も必要とされるときです。一緒にがんばっていきましょう。
女性消化器外科医師として:麻生 慶子
女性同士ならではの視点で優しく患者さんに寄り添った診療を
私は今年で卒後6年目になり、第一外科にて乳腺・内分泌外科を専攻しています。初期研修2年目の秋、第一外科をローテートした際に乳腺・内分泌外科を選択することができ、診察と検査で乳腺疾患を診断するところから、「外科手術」、「化学療法」、「薬物治療」までの一連の乳癌診療を一貫して行えるところに魅力を感じ、入局を決めました。
後期研修の間は乳腺疾患の診療に加えて、全身を診ることができるように消化器外科および外科一般についても診療経験を積ませていただいています。資格については、今年度に外科専門医と乳腺認定医の申請を行う予定であり、その後、乳腺専門医の取得を目指しています。今年4月からは大学院生として乳癌の内分泌療法耐性の克服に関する基礎研究と、PETを用いた分子イメージングに関する研究も始めているところです。
大学病院はスタッフが多く、その分1例1例をじっくりと考えながら経験することができます。また、多くの学会や勉強会に参加することができ、最新の知識を学べる非常に良い環境です。
学会等に参加すると沢山の女性乳腺外科医の先生方がおられ、女性でも力を発揮できる科だと自分自身でも実感しています。普段から女性患者さんと接する機会が多いため、女性同士ならではの視点で優しく患者さんに寄り添った診療を行える乳腺外科医を目指していきたいです。
乳腺外科:髙橋 瑞穂