充実した1年。大きな成長。

4年目の研修の感想として、3年目に身に着けた消化器外科医としての知識・経験が、実際の診療とどんどん結びついていくことを実感する、充実した1年でした。

手術は良性疾患・緊急症例を中心に主治医として執刀をします。また気胸や重症熱傷、高エネルギー外傷なども診療・入院管理し、多種多様な症例を経験し外科医としての診療の幅が広がりました。また、癌患者の執刀は多くはないですが、その際には内視鏡検査などの術前検査を自ら行い、どんな手術が適切でどんな箇所が大事かを症例ごとにじっくりと考えて手術に向かいます。比較的時間のある外病院勤務だからこそ丁寧に準備を進めることができました。術後の外来も自分で診療し、術後補助化学療法や患者さん自身の自宅での生活・社会との接し方などを相談され様々なことで悩みました。

この経験で、目先の入院中の問題点だけを診るのではなく、患者さんの普段の生活にも気を配って診療できるようになり、とても大きく成長できたと思っています。

後期研修 5年目を終えて:小林先生

患者さんがやりがいを私にくれた。

浅井先生

研修医から見た外科医のイメージはどんなものだろう。きつい、汚い、危険?、確かにそういった面はあると思う。手先が器用で体力があって体育会系で…あつい。ミニスカにハイヒールのフリーランス、美人、後半はきっと私にもあてはまる。

実際にやってみた1年間。
初期研修を終え福井大学第一外科に入局し、誇り高き外科医に囲まれ、外科の浅井です、と名乗るようになり、外科医になった気がした。でも名ばかり。手先は器用ではなく、体力もなく、努力根性の体育会系スピリットもない。そして汚いのも苦手だ。イメージからすれば、向いていない。

それでも辞めずに1年が過ぎた。患者からの感謝、患者の人生、患者さんがやりがいを私にくれた。そしてかっこいい指導医、やさしい先輩、こうなりたいって思えた。やってみて初めて分かった、今も続けていられている理由。外科医の激務というイメージに臆さないで欲しいと思う。私でもできていますから(なんとか1年は!)

後期研修 3年目(大学研修)を終えて:浅井先生

早くから外科医としての喜びを感じる機会。

前川先生

私の目指す寄り添いと信頼を築ける医師が、当科の先輩方に重なったことが入局の決め手でした。尊敬する先輩方に囲まれ、これ以上の選択はなかったと確信しています。

後期研修医は責任ある仕事が増え、それに伴う達成感や満足感を得られます。私たちは各臓器別のチーフに直属となることが多く、高いレベルの指導と、見て学ぶだけでなく、やって学ぶ機会に非常に恵まれました。学びだけでなく、早くから外科医としての喜びを感じる機会を多く持てたのは、福井大学第一外科ならではの『強み』だと思います。

現在は大学外での勤務となりましたが、3年目に大学での後期研修で学んだことを発揮し、また下地としてより一層の経験と知識を身に着け、成長を感じることができ、充実した毎日を送っています。

後期研修 3年目(大学研修)を終えて:前川先生

夢と興味ともって研究に向き合う。

私は福井大学第一外科に入局して5年目になります。現在は、大学院生として大腸癌をメインとした研究を行っています。緊急手術を除いては手術を行う機会は各段に減りましたが、私はこの期間で、臨床医としての知識の幅を広げることができていると感じています。

遺伝子、蛋白、細胞レベルでの考え方に始まり、PCRやWestern Blottingといった遠い学生時代に勉強した手技も、実際にやってみるとその難しさや要求される緻密さに日々格闘しています。

胃癌や大腸癌では、血管新生因子阻害剤やモノクローナル抗体などが実際に臨床応用されています。これは私が現在行っている研究とも関連するため、臨床と基礎医学とのつながりを感じることができ、夢と興味ともって研究に向き合うことができています。

また、基礎医学の世界では英語論文がほとんどなので、今まで避けてきた英語とも向き合わざるを得ず、こちらも日々精進する毎日です。

後期研修 院生として:吉田先生

医師として成長するための基礎がこの時期に。

当科での大学院生活で私が感じたことは、大きく2つあります。

1つは医学会全体の広さを感じたということです。臨床だけでなく基礎研究の世界も垣間見ることで基礎研究から臨床への繋がりを感じることができました。まだまだ未解明な部分も多く壮大な世界ですが、自分も何か将来の治療に役立つ知見を世界に発信できたらと思うようになりました。簡単ではないけれど、「夢は大きく!」という気持ちになりました。

もう1つは、課題や疑問を自分で解決する姿勢が身につくということです。研究では先行研究の調査、課題の抽出とそれを解明する実験を行うわけですが、この一連の流れは臨床にも通じるものだと思います。医師として生涯研鑽を積み成長するための基礎がこの時期に身につくのではないでしょうか。

最後に、大学院生の2年間は病棟フリーです。週末は家族サービスもできますし、夏休みには遠慮なく海外旅行も行けます!これもこの2年間の大きな魅力だと思います。

後期研修 院生として:田海先生

分業されがちな都会では経験できない。

福井大学第一外科の指導医の先生方は、とても熱心に愛情を込めて指導してくださいます。時には厳しいことを言われ落ち込むこともありますが、責任を持って私たち若手をきちんとした外科医に育てようとしてくださっている先生方の熱意をひしひしと感じています。

私は、固形癌を系統的にmanagementできるところに外科医としての面白さを感じ、将来は特に乳癌を専門にしたいと考えています。ただ、ここでは消化器外科領域の患者さんの担当になることも多く(緊急手術やICU管理など!)、外科医に必要な全身管理を十二分に学ぶことができる環境にあり、とても充実した日々を送っています。

私は福井県外の出身なのですが、固形癌の患者さんを診断、手術、術後の化学療法、そして緩和や看取りまで、一貫して1人の患者さんと向き合う先生方の働きぶりにとても感銘を受け、ここへの入局を決めました。

医師が多く専門毎に分業されがちな都会では経験できないような、いろんなことができる外科医にここではなることができるのではないかとワクワクで胸がいっぱいな今日この頃です。

後期研修 新入局員として:土屋先生